心と体と魂の養生法

同一性 VS 同一性の混乱 2 思春期前期〈 エリクソン発達理論・青年期 〉2011.06.09

発達段階の第五期は青年期です。 この期には【思春期前期】【思春期後期】【青年期前期】【青年期後期】が含まれます。 このうち思春期は、子どもから大人への橋渡しの時期になります。 第二の分離期で、とても大切な時期です。 第一の分離期は幼児期初期の…

同一性 VS 同一性の混乱 1 〈エリクソン発達理論・青年期〉

発達段階の第五期は、青年期です。 思春期(11歳位)~若い成人期(24歳位?)の頃です。 現代の日本では、どこまでを青年期(思春期)とするかは判断が困難です。 豊かで(不況とかとは別の観点です)、複雑な、日本の状況が思春期を長引かせています。 14…

臨界期(critical period)~危機を克服する過程~

思春期に入る前に、ここで臨界期について・・・。 各発達段階における精神的発達の課題がありますが それはその時期において最も優勢になる危機であることを示しています。 そして、各発達段階における、危機を克服する過程は 臨界期的な問題を示していると…

勤勉性 VS 劣等感〈 エリクソン発達理論・学童期 〉

発達段階の第四期は、学童期です。6歳頃~思春期の頃です。 この時の重要な関係の範囲は、近隣・学校です。 更なる身体的発達、そして認知・自我・社会性の発達が見られます。 幼児期後期の集団遊びで得た社会性を基礎にして 更なる社会性を身につけるための…

自主性 VS 罪悪感〈 エリクソン発達理論・幼児期後期 〉

発達段階の第三期は、幼児期後期(遊戯期) だいたい3~5・6歳ころです。 この時の重要な他者は、家族です。 この頃になると、体力や筋力がついてきてきます。 言語能力も上がり、様々な疑問が生じる頃でもあり 好奇心と、道徳的なこだわりから「なぜ?なに…

自律性 VS 恥・疑惑 2〈 エリクソン発達理論・幼児期前期 〉

1~3歳のこの時期は、 体はハイハイから歩くようになることで、自分の意志で動き 欲しいものを手に入れることが出来るようになります。 また、「イヤ」の時でもあります。 「イヤ」と人の気分を害することを言って、自分の欲求を押し通しても 嫌われたり、捨…

自律性 VS 恥・疑惑1〈 エリクソン発達理論・幼児期前期 〉

昨年、エリクソンの発達理論について書き始めていたものの 心の中に迷いがあって、続きを書けずにいました。 最近、改めて出会ったのでこれを機会に書いて行こうと思います。 発達段階の第二期は、幼児期前(初)期 だいたい1~3歳ころです。 この時の重要な…

希望 ~『ビリーヴ』~

人が人と出会い、言葉を交わし、情報を交換し、 その後のその人との関わり方を模索していきます。 その間に信頼があってこそ、その後の様々な展開が可能になっていくのだと思います。 信頼感がなければ、待ち合わせも出来ません。 そしてその信頼感は人に対…

喪失と悲しみの心理 3

悲しみの心理については、アルフォンス・デーケン神父(上智大学名誉教授)がカウンセリングに携わった体験から『悲嘆のプロセス』と呼ばれる一連の情緒的反応を以下のように12段階に分析されてます。 このプロセスを消化しながら、立ち直っていくとされます…

喪失と悲しみの心理 2

喪失感との和解の作業をするとは フロイトが自分自身の体験に基づく無意識の自己分析を通して 『喪の仕事』と表現し、その目的は次のように定義されました。 「愛する対象の死に出会った場合に必要なのは、この死の必然と和解し死を受け入れるということであ…

喪失と悲しみの心理 1

東日本大震災の報道に接しながら 日本全体が喪失感と悲しみに包まれているように感じます。 けれども、その中から 希望の灯があちこちで、ポツリポツリと点灯され その火がどんどん広がっていく温かさも感じます。 各々の方の持つ、意味あるものが失われた時…

七情(しちじょう)

中医学においては疾病の原因になる病因のうち 感情や精神の行き過ぎた起伏が引き起こすものを 『内因』と言います。 それは七情と呼ばれる、7種類のものです。 その7種類とは【喜、怒、思、憂、悲、恐、驚】です。 『黄帝内経』ではこれら七情と五臓の関係を…

人が育つということ

『論語』には 十有五にして学に志す(十五歳で学問に志し) 三十にして立つ(三十になって独立した立場を持ち) 四十にして惑わず(四十になってあれこれ迷わず) 五十にして天命を知る(五十になって天命をわきまえ) 六十にして耳順がう(六十になって人の…

四食(しじき)

きのうは、薬膳料理の実習に参加しました。 今まで何度か実習もしてきましたが 比較的手に入りやすい材料で、家庭料理に近いものを作ってきました。 また、最近は薬膳料理を食べる機会にも恵まれていますが 生薬(しょうやく)を強く意識するものは少ないで…

トラウマとPTSD 7【PTSDと治療】

6回にわたって、『トラウマとPTSD』について書いてきました。 今回で最後です。 PTSDに対する対処方法は、その原因になった出来事によっても異なります。 また、それからの経過時間やケアできる質や量によっても異なります。 しかしそれらの症状に共通するの…

トラウマとPTSD 6【PTSDと症状4】

PTSDの大きな3つ症状の最後です。 【過覚醒】について。 危険な状態にさらされたとき、体の中では アドレナリンという物質が分泌され、交感神経が優位になります。 これは、体が緊張状態にあることを示します。 過覚醒の状態はトラウマ体験の時になっていた…

トラウマとPTSD 5【PTSDと症状3】

きのうのPTSDの症状【再体験】につづいて、 きょうは 【感覚鈍麻と回避】について。 このふたつは、極度に強い感情をコントロールし こころが生き残るための、自然な反応(一種の防衛反応)です。 【感覚鈍麻】の反応は、出来事から数日間続くこともあります…

トラウマとPTSD 4【PTSDと症状2】

PTSDの3つの症状のうち、今回は【再体験】について。 ★記憶の再生 望まないときに、トラウマ体験の全体あるいは一部が 繰り返し甦ってきます。 この事によりその時の感覚や考えが繰り返し浮かびます。 例えば、恐怖・パニック・怒り・無力感・悲しみ・嫌悪、…

トラウマとPTSD 3【PTSDと症状1】

PTSDの症状は、大きく3つのグループに分けられます。 【再体験】 【感覚鈍麻と回避】 【過覚醒】 これらは、トラウマ体験はまだ本人の気持ちの中では再現されており 客観的に見れば外傷の“後”に見えても 気持ちはその出来事のまっただ中にいる状態です。 ト…

トラウマとPTSD 2【トラウマ反応とPTSD】

【PTSD(心的)外傷後ストレス障害 Post-Traumtic Stress Disorder】とは トラウマによって生じる精神的な障害です。 トラウマによって生じる結果には様々なものがあります。 PTSDがトラウマ反応の全てではありません。 (たとえば、“引きこもり”や“慢性的な…

トラウマとPTSD 1【ストレスとトラウマ】

PTSDについて質問を頂きましたのでお答えします。 心身に不快に感じる要因をストレス〈Stress〉と呼びます。 それが非常に強い心的な衝撃を与える場合 その体験(災害、犯罪、暴力、虐待など)が過ぎ去ったあとも体験が記憶の中に残り、 強い恐怖感・無気力…

よく噛んで食べる

生まれてきた命(からだ)を継続して支えるために、 わたし達は「後天の精」である食物から栄養を補い続けます。 そのため、生きていくために「食欲」は欠かせない欲求であり 本来はこの欲求が満たされないと、こころの成長の階段も上っていけません。 とこ…

朔(さく)

中医学を学ぶようになってから 月の満ち欠けや、季節をあらわす事柄に今まで以上に気持が向くようになりました。 そして解れば解るほど、自然の中で営む私たちの生活がいとおしくなっていきます。 今日は「新月(朔)」です。 月が太陽と地球の間に入って、…

喪失感

様々なものを失う体験があります。 5月22日のコラム『マッジブルー』でも少し触れました。 マリッジブルー - mitunohikari ☉☽☆ 『・・・喪失感もおこります(おこらない方もいます) たとえば 名字の変わる方は、それまでの時間ともにした名前を失います。 …

触れるということ

中医学の勉強に通っているとき、経絡セラピーも学びました。手軽なものとして、家族・知人を中心に経絡ハンドセラピーをすることがあります。 触れていると、不思議なほどみんなあれこれと話し始めます。 友人知人だと、普段のことはある程度知っているので…

生まれてくること 生きていくこと

数年前、土曜日朝の子供向け科学番組で 人が生まれてくる確率を、子どもたちが体感する番組がありました。 人が生まれてくる確率は70兆分の1とか・・・。 運動場のスタート地点を出発した子どもたちは 障害物競争のような要領で進んで行きます。 関門の中で…

グリーフケア (grief care) 1

グリーフケア(遺族へのメンタルケア)とは「遺族がその人なりの悲嘆のプロセスをたどっていくことをサポートすること」 これを行うのは、心理に携わるものだけではなく医療関係者をはじめ、遺族にかかわるさまざまな職種になります。(*) 悲しみのストレ…

グリーフケア(grief care)2

喪失体験の内、死別体験による喪失からの回復は 喪の作業(mourninng)といわれ、その悲しみを悲しみきるための手助けをすることと・・・学んできました。 しかし、突然の出来事であまりに多くのものを失いその複合した喪失感に、どう支援し寄り添えばよいのか…

マリッジブルー

結婚が決まり、その幸福感の中にもなんとなく不安が募る。 マリッジブルーと呼ばれていますね。他にも、エンゲージブルー・ウエディングブルー・ウエディングベルブルーなどとも呼ばれているようです。 わたしが結婚した?十年前には、そのような言葉がなか…

邪魔せず 自分で考え、努力出来る力をつける

浅田真央選手や、石川遼選手を見ていてどうすれば、わが子もあのようになれるだろうと思う人はきっとたくさんいらっしゃるでしょう。 我が子の眠っている才能があれば、何とか引き出してあげたい・・・きっと、そんな親心がむくむくと湧いていることでしょう…