発達理論

今いる場所で自分なりに生きて行くこと。

日曜日に義父の49日法要を営み… 経文の文字を追ったり、仏事の話を伺い、来し方行く末に思いを馳せる日となりました。 『源氏物語』の中に頻繁に綴られる、出家へのあこがれ。 …あの時代、心の平安は俗世には求め難かったか、、、。 自らが年齢を重ねたこと…

スラッグ渓谷の朝「ハトと少年」

昨日まで参加していた研修での出来事は 私にとってまさに 【意味のある偶然の一致】 でした。 タイトルに挙げた、『スラッグ渓谷の朝「ハトと少年」』は ジブリ映画『天空の城ラピュタ』で少年パズーが吹いていたトランペットの曲です。 パズーが吹くこのト…

学童期 発達段階

8月になり、土用の二乃丑なる日も過ぎ暦上の暑さも真っ盛りの、大暑の候です。 今は大暑も末候(36候)「大雨時行(たいうときどきふる)-時として大雨が降る-」の時です。時として・・・ではない、日本各地の大雨が憂われます。 大気の状態が不安定で、突然…

花咲くとき

陽気につられてあれよあれよという間に、満開になりました。 近辺の桜どころでは、休日にあたる今日明日は『さくらまつり』が企画されている所が多いのですが・・・ 無情にも、今日6日から8日にかけて「猛烈低気圧」が日本海上を通過する見通しで、暴風雨の…

ミドル・エイジ・クライシス(中年期の危機)

『論語』には 四十にして惑わず(四十歳になってあれこれ迷わず)とありますが ユングは、「成人前期」から「中年」の間の転換期は、 人生の午前(前半)から午後(後半)への移行期として 人生最大の危機になるだろうとしています。 この「中年への過渡期」…

ライフサイクル(シーヒィから)

ゲイル シーヒィ(Gail Sheehy)は、現在のライフサイクルは 昔と比べて5~10年位ずれてきているとし 次のように【成人期の新しい地図】をあらわしました。 【仮の成人期(18~30歳)】 実力だめしの20代 【第一成人期(30~45歳)】 激動の30代 繁栄の40代 …

統合性 VS 絶望統合性 VS 絶望〈 エリクソン発達理論・老年期 〉

発達段階の最後、第八期は、老年期60歳後半~です。 この時の重要な関係の範囲は、「人類」と「私の種族」です。 全ての事を手放していかなければならない時が近づき 残された人生に何をするかを問うようになります。 この時期の心理課題は『統合性 VS 絶望…

生殖性 VS 停滞性 〈 エリクソン発達理論・成人期 〉

発達段階の第七期は、成人期 40~60歳中頃です。 この時の重要な関係の範囲は、(分担する)労働と、(共有する)家庭です。 そして、この時期の心理課題は『生殖性 VS 停滞性』です。 バトンタッチされる時期となります。 縦の関係の中で、親や指導者となる…

親密 VS 孤立 〈 エリクソン発達理論・前成人期 〉

発達段階の第六期は、前成人期 20~30歳台のころです。 この時の重要な関係の範囲は、友情、性愛、競争、協力の関係におけるパートナーです。 この期では、前期でアイデンティティの確立が、いかに出来ているかがポイントになります。 確立しているものは、…

同一性 VS 同一性の混乱 4 青年期前・後期 〈エリクソン発達理論・青年期 〉

【青年期前期】は18~20歳頃 【青年期後期】は19~24歳頃でしょうか? この辺りは、『1』で書いたように猶予期間(モラトリアム)が長くなり この青年期と、次の前成人期が年齢で分けにくくなっています。 個人差が大きいという方が適切かもしれません。 【…

同一性 VS 同一性の混乱 3 思春期後期〈 エリクソン発達理論・青年期 〉

【思春期後期】は高校生の頃になります。 自立するために、物理的にも心理的にも親からの距離が開き 親とは違う自分を見つけるために、共感してくれる人を探そうとします。 友だちの占める割合が大きくなって 中学生の時が、親:友=6~7:4~3くらい 高校生…

同一性 VS 同一性の混乱 2 思春期前期〈 エリクソン発達理論・青年期 〉2011.06.09

発達段階の第五期は青年期です。 この期には【思春期前期】【思春期後期】【青年期前期】【青年期後期】が含まれます。 このうち思春期は、子どもから大人への橋渡しの時期になります。 第二の分離期で、とても大切な時期です。 第一の分離期は幼児期初期の…

同一性 VS 同一性の混乱 1 〈エリクソン発達理論・青年期〉

発達段階の第五期は、青年期です。 思春期(11歳位)~若い成人期(24歳位?)の頃です。 現代の日本では、どこまでを青年期(思春期)とするかは判断が困難です。 豊かで(不況とかとは別の観点です)、複雑な、日本の状況が思春期を長引かせています。 14…

臨界期(critical period)~危機を克服する過程~

思春期に入る前に、ここで臨界期について・・・。 各発達段階における精神的発達の課題がありますが それはその時期において最も優勢になる危機であることを示しています。 そして、各発達段階における、危機を克服する過程は 臨界期的な問題を示していると…

勤勉性 VS 劣等感〈 エリクソン発達理論・学童期 〉

発達段階の第四期は、学童期です。6歳頃~思春期の頃です。 この時の重要な関係の範囲は、近隣・学校です。 更なる身体的発達、そして認知・自我・社会性の発達が見られます。 幼児期後期の集団遊びで得た社会性を基礎にして 更なる社会性を身につけるための…

自主性 VS 罪悪感〈 エリクソン発達理論・幼児期後期 〉

発達段階の第三期は、幼児期後期(遊戯期) だいたい3~5・6歳ころです。 この時の重要な他者は、家族です。 この頃になると、体力や筋力がついてきてきます。 言語能力も上がり、様々な疑問が生じる頃でもあり 好奇心と、道徳的なこだわりから「なぜ?なに…

自律性 VS 恥・疑惑 2〈 エリクソン発達理論・幼児期前期 〉

1~3歳のこの時期は、 体はハイハイから歩くようになることで、自分の意志で動き 欲しいものを手に入れることが出来るようになります。 また、「イヤ」の時でもあります。 「イヤ」と人の気分を害することを言って、自分の欲求を押し通しても 嫌われたり、捨…

自律性 VS 恥・疑惑1〈 エリクソン発達理論・幼児期前期 〉

昨年、エリクソンの発達理論について書き始めていたものの 心の中に迷いがあって、続きを書けずにいました。 最近、改めて出会ったのでこれを機会に書いて行こうと思います。 発達段階の第二期は、幼児期前(初)期 だいたい1~3歳ころです。 この時の重要な…

人が育つということ

『論語』には 十有五にして学に志す(十五歳で学問に志し) 三十にして立つ(三十になって独立した立場を持ち) 四十にして惑わず(四十になってあれこれ迷わず) 五十にして天命を知る(五十になって天命をわきまえ) 六十にして耳順がう(六十になって人の…

プロ棋士 VS 将棋ソフト

きのう11日、清水市代女流王将と「あから2010」というコンピューターの将棋ソフトの対局がありました。 清水市代女流王将は、歴代最多のタイトル獲得数43を誇る女流のトップで、その実力は男性アマ五段以上のレベルといわれるということ。 対する「あから201…

ライフサイクル(レビンソンから)

きのうは、ユングのライフサイクル理論について紹介致しました。 それを実証的に考えたのがレビンソンでした。 レビンソンは以下のように人生を4つに分けました。 1.児童期と青年期(0~22歳) 2.成人前期(17~45歳) ・成人への過渡期 (17~22歳) ・お…

ライフサイクル(ユングから)

きのう、人生の四季について少し書きましたが、人の一生については色々な方が、色々な見方で紹介されています。 ユング(1875-1961)は、『人生の階段』の中で人生を一日の太陽の運行になぞらえ、人生を4つの時期に分けました。 4つの時期とは「少年」「成…

人生の四季

人生も、四季の移ろいのように変化していきます。毎日の僅かの変化で見ていても気付かないことも、少し客観的になってポイントになる出来事を並べてみると違いに気づきやすくなるでしょう。 春に、六道珍皇寺(京都市)に行ったとき、丁度「春の特別展」の準…

基本的信頼 VS 不信〈エリクソン発達理論・乳児期〉

1歳になるまでの乳児期に一番優先される発達課題です。この時の重要な他者は、母親的人物です。 「自分の周りには、自分のことを大切に扱ってくれる人がいる」=信頼「自分の周りは、自分に敵対的な人で満ちている」=不信 具体的に言うと、お腹がすいた赤ち…

天癸(てんき)

エリクソンの発達理論を書く前に 中医学においては人体の生長発育はどのように考えられているかについて書いておきたいと思います。 人体の構成と、生長発育および各種機能を支える基本のものを 精(あるいは精気)といいます。 人体の 生(生まれる)、 長…

発達理論(フロイトとエリクソンの視点)

心理学においてはエリクソン.E.H(1902~1994)の『生涯発達論』がよく取り扱われます。エリクソンはフロイトの発達論から、独自の精神分析的な発達論を展開しました。フロイトは人の発達を性的関係から捉え、心理を生理学的観点から捉えました。 それに対…

触れるということ

中医学の勉強に通っているとき、経絡セラピーも学びました。手軽なものとして、家族・知人を中心に経絡ハンドセラピーをすることがあります。 触れていると、不思議なほどみんなあれこれと話し始めます。 友人知人だと、普段のことはある程度知っているので…

生まれてくること 生きていくこと

数年前、土曜日朝の子供向け科学番組で 人が生まれてくる確率を、子どもたちが体感する番組がありました。 人が生まれてくる確率は70兆分の1とか・・・。 運動場のスタート地点を出発した子どもたちは 障害物競争のような要領で進んで行きます。 関門の中で…

人生の下書き

真っ白で、やわらかいこころを持って生まれてくる子ども。 人間の子どもは、誰かに世話をしてもらわないと育つことはできません。 縁あってめぐりあった家族の中で育っていきます。 いくら個性や自由の時代だからといっても 何の指針もないまま、育っていく…

邪魔せず 自分で考え、努力出来る力をつける

浅田真央選手や、石川遼選手を見ていてどうすれば、わが子もあのようになれるだろうと思う人はきっとたくさんいらっしゃるでしょう。 我が子の眠っている才能があれば、何とか引き出してあげたい・・・きっと、そんな親心がむくむくと湧いていることでしょう…