四食(しじき)

きのうは、薬膳料理の実習に参加しました。

今まで何度か実習もしてきましたが

比較的手に入りやすい材料で、家庭料理に近いものを作ってきました。

また、最近は薬膳料理を食べる機会にも恵まれていますが

生薬(しょうやく)を強く意識するものは少ないです。

その意味ではこの度は、一番薬膳料理らしい薬膳料理でした。

四食(しじき)

その経験も貴重だったのですが、先生のお話が素晴らしかったのです。

わたしはそのなかでも一番、【四食(しじき)】のお話に惹きつけられました。

朝からいろいろ調べたのですが、なかなか行きあたらない言葉でした。

もともとは仏教の言葉で、『大毘婆沙論(だいびばさろん)』という

全200巻にも及ぶ仏教論書の中にある言葉だそうです。

【四食】は、人を養い育てる以下の四種の食物の事を言います。

 

【段食(だんじき)】

生まれてきた命を継続して支え、成長発育させるために食べたり飲んだりする、まさに食物の事です。

【触食(そくじき)】

よろこび、たのしみ、わらいなどを導く感情や、感触が身を養うということ。

美しいもの、よいものに触れて感動することも、ここに含まれます。

【思食(しじき)】

希望や願望を持つことで、こころやからだを支えるということ。

【識食(しきじき)】

こころ(識別すること)が、からだを支えます。

“何らかの壁にぶつかったとき、
その時にどのように負けずに頑張ろう!というこころを持つことだ”

と先生は説明して下さいました。

そして人の体の中にある60兆個の細胞のうち、

わたし達はほんの一部しか使っていないのだから

こんな世の中だけれど、負けないで頑張って下さいとおっしゃいました。

薬膳と心理の両方を一度に学んだ、

豊かな一日でした。

『精(2010-07-21)』
http://pro.mbp-kobe.com/yu-cocoro/column/11475