トラウマとPTSD 6【PTSDと症状4】

PTSDの大きな3つ症状の最後です。

【過覚醒】について。

 

危険な状態にさらされたとき、体の中では

アドレナリンという物質が分泌され、交感神経が優位になります。

これは、体が緊張状態にあることを示します。

過覚醒の状態はトラウマ体験の時になっていたこの状態になっていることを示します。

その体験を思い出したり、その一部を再体験した時におこります。

あるいは、結びつかないような状況でも起こることがあります。

次のような、いくつかの反応があります。

 

入眠障害と熟眠障害

なかなか寝付けなかったり、何度も目が覚めてしまったりします。

早朝に目が覚めて、そのまま寝付けない場合もあります。

 

★神経過敏と怒りの爆発

突然、何のきっかけもなく反応して自分でもコントロール出来ません。

過敏で不機嫌である場合もあれば

叫んだり、周りのものを壊したりすることもあります。

収まった後に、罪悪感やイライラを感じてしまったりします。

 

★集中困難と記憶障害

トラウマ体験に対応するために交感神経が優位になり、

身を守ることに注意が向けられているため

新しい他のものに、集中して取り組めなくなっています。

 

★注意過剰(過度の用心)

周りに常に注意を払っています。

それは自分でも気づかないうちに

自然に体がいつでも危機に対応できるように準備しているのです。

これらは、トラウマ体験から自然に身に付けた

自分を守るための防御反応です。

それらがあまりに高い精度になっているために

日常生活に支障を及ぼしている場合があるのです。

明日で最後【PTSDと治療】です。

 

(参考:『心的トラウマの理解とケア』 じほう

    『心に傷をうけた人のこころのケア』 保健同人社