トラウマとPTSD 1【ストレスとトラウマ】

PTSDについて質問を頂きましたのでお答えします。

心身に不快に感じる要因をストレス〈Stress〉と呼びます。

それが非常に強い心的な衝撃を与える場合

その体験(災害、犯罪、暴力、虐待など)が過ぎ去ったあとも体験が記憶の中に残り、

強い恐怖感・無気力感といったような精神的な影響を与え続けることがあります。

このようにしてもたらされた精神的な後遺症を

【トラウマ Trauma (心的外傷)】と呼びます。

トラウマによる精神的な変調を、【トラウマ反応】と呼びます。

その多くは一時的なもので、症状も軽い場合が多いですが

一部は慢性化して、その後の社会生活に影響を及ぼす場合があります。

 

広い意味でのトラウマは

ある体験がその本人にとって、

その体験時と同じ恐怖感や不快感をもたらし続けることを指します。

しかしその出来事が日常的な体験で、

その衝撃が多くの人から見て些細なものと思われる場合は

トラウマ反応というよりも

個人的な性格などの素因や、普通の精神疾患と考えられます。

その場合のその出来事は原因ではなく誘因になります。

 

対して、

【多くの人にとって強い衝撃をもたらす

非日常的な過酷な出来事によって起こるものを

トラウマ反応といいます。】

 

その場合であればその反応は、個人的な素因ではなく、

その出来事が原因と考えることが出来ます。

【トラウマ反応とPTSD】については、明日に。

 

兵庫県こころのケアセンター(2010-10-03)』
http://pro.mbp-kobe.com/yu-cocoro/column/13570

(参考:『心的トラウマの理解とケア』 じほう)