同一性 VS 同一性の混乱 2 思春期前期〈 エリクソン発達理論・青年期 〉2011.06.09

発達段階の第五期は青年期です。

この期には【思春期前期】【思春期後期】【青年期前期】【青年期後期】が含まれます。


このうち思春期は、子どもから大人への橋渡しの時期になります。

第二の分離期で、とても大切な時期です。


第一の分離期は幼児期初期の、トイレトレーニング時の行動的な分離期です。

そして第二の分離期はこの思春期で、精神的な分離期になります。


この時期の重要な関係の範囲が、
仲間集団と外集団(リーダシップの諸モデル)とあるように

同性愛期(友情)や異性愛期(愛情)を経て精神的自立を目指します。
 (母息子密着・父娘密着、同性親に対するコンプレックスからの脱却)


これまでの自分の中にある価値観をもう一度見つめなおし、取捨選択する時期です。

部屋に閉じこもったり、話さなくなったり、秘密を持ちます。


親としては不安ですが、何をされても、言われても腹が立つ頃なので

余計な事はしない、言わない、今だけのことを話すように努めます。


親離れしようとして揺れます。

離れたり、戻って来たりするので、手を離してしまってはいけません。

いつでも子どもが戻って来れる親(家)であり続けることが大切です。


【思春期前期】は中学生の頃になります。

抽象的な思考が発達し、客観的なものの見方が出来てきます。


そして、親も絶対的なものでないと気づきます。


親離れの始まりです。

自立したい気持ちと、不安(甘え)が交互にやって来てコントロール出来ない状態です。


親は余計なことを言わず、必要とされる時に必要なことだけをする努力が必要です。

急激な身体の変化の時で、コントロール出来ない身体にも不安を覚えます。


他人から自分はどう見られているのかという不安、自意識が強まります。

この時に、同性の友人の存在が重要で、自分を映す鏡になります。


友達が出来ないと、他者からの視線を直接自分に向けてしまい
否定的な思い込みを持つ場合があります。

仲間、人の中に居るということが、とても大切です。