石牟礼道子さん

新作能『沖宮』のこと。(1)水縹色

陰陽中庸の時が過ぎ、日ごと夜の時間が長くなっていきます。そんなきょうは十月九日、長月(ながつき)一日。朔日なので新月です。 二十四節気は秋分から、寒露(かんろ)に移り変わりました。七十二候は49候「寒露 初候 鴻雁来(こうがんきたる)」。雁が飛…

追悼 石牟礼道子さん。

今日もこの世界に目覚めることのできる幸せ。特別なことがなくても、昨日のつづきの今日が当たり前にやってくると思っていました。 今年2月10日午前3時14分、石牟礼道子さんがこの世界から旅立たれました。その訃報は、10日の深夜雨よけのビニールに覆われた…

石牟礼道子さん。

石牟礼道子さんといえば水俣病のことを連想される方が多いでしょう。 確かに代表作は1969年に発表された『苦海浄土』そしてそれに続く『天の魚』(1974)『椿の海の記』(1976)になるでしょうか? けれども、わたしの石牟礼道子さんとの出会いは20歳の時。…