統合性 VS 絶望統合性 VS 絶望〈 エリクソン発達理論・老年期 〉

発達段階の最後、第八期は、老年期60歳後半~です。

この時の重要な関係の範囲は、「人類」と「私の種族」です。


全ての事を手放していかなければならない時が近づき

残された人生に何をするかを問うようになります。


この時期の心理課題は『統合性 VS 絶望』です。

それは、「満足と挫折」とも言えるでしょう。


人生の各時期の決定で、手に入らなかった人生に対する後悔をこころに収め

自分の生きてきた道の総まとめと、残りの人生に対して関心を持ちます。(統合性)


一方で、現状を認めつつも、取り返せない無いものを悔やみ

絶望に陥ります。(絶望)


そして、この発達段階の課題を獲得することで得られるGiftは
『英知(wisdom)』です。

高齢になってからだの老化は進みますが、このことに直面しつつも

それを超越する、精神的発達が現代の高齢の方々の課題でもあります。


様々なものの喪失体験が重なります。

定年などによる社会的地位の喪失。

このことは収入の減少や社会との繋がりの喪失でもあります。


子どもも独立し、親しいもの達の離別・・。

これらの喪失は、まだ充分な時間のある若い時との喪失感より大きなストレスとなり

生活に支障をきたし、うつ病になることもあります。