生殖性 VS 停滞性 〈 エリクソン発達理論・成人期 〉

発達段階の第七期は、成人期 40~60歳中頃です。


この時の重要な関係の範囲は、
(分担する)労働と、(共有する)家庭です。

そして、この時期の心理課題は『生殖性 VS 停滞性』です。


バトンタッチされる時期となります。

縦の関係の中で、親や指導者となることを受け入れていきます。

次の世代を育てるための指導等をしていくことを通じて、
社会を前進させて行こうとします。


しかし一方で

次の世代を育てることに関心が持てない、
自分自身も停滞し、やる気が低下することがあります。


先が『生殖性』、後が『停滞性』です。

この両方を行き来し、バランスを取り、乗り越えて課題を獲得します。


この発達段階の課題を獲得することで得られるGiftは『世話(care)』です。

人の世話をすることが、同時に自分自身を成熟させることになります。


年代的に、家庭内において役割の様々な課題が出てきます。


この時期は人生を振り返り、アイデンティティの問い直しの時期でもあります。

ユングも経験した『40歳の危機(ミドルエイジクライシス)』、

そして思春期の未解決の問題が再燃します。


また、「あの時~していたら・・・」と過去に獲得しなかった生き方

選んで来なかった人生の背後にある、もう一人の自分について考えます。