手を伸ばす

先日、
松沢哲郎霊長類研究所所長のセミナー内容について書かれたものを読んでいると

二本足で立ったことで、手が使えるようになったのではく
仰向けになったことで手が自由になった
というような内容のことが書いてありました。

その時にふとある幼児のことを思い出しました。

幼い子どもに手を差し伸べると、
だいたいの子どもは手を出して抱っこされようとします。

その子どもは、手を出しませんでした。

変わろうとするとき、

与えてもらうだけの場合

その間は変われた気がしてうまく物事が運び、
その状態がずっと続くような気がするかもしれません。

けれどもその供給がなくなる、
あるいは蓄えが尽きると

また、もとの状態になってしまうこともあります。

必要なものに気づき、自ら手を伸ばして変わろうと思わなければ、
変われないのです。

先の子どもは、ずっと気になっていた子どもでした。

手を差し伸べてもらう経験
求めて手を伸ばし、そしてその手を受け止めて貰える経験

この両方が無ければ、
手を伸ばすことを学べないのかもしれないと思いました。

人は人とのかかわりの中で育ち、変わります。

手を伸ばして求めるということを身につけることは、
必要で大切です。

あの子は今は、手が伸ばせるようになっているでしょうか。