ライフサイクル(ユングから)

きのう、人生の四季について少し書きましたが、人の一生については色々な方が、色々な見方で紹介されています。

 

ユング(1875-1961)は、『人生の階段』の中で人生を一日の太陽の運行になぞらえ、人生を4つの時期に分けました。

4つの時期とは「少年」「成人前期」「中年」「老人」です。

 

ある時期から、次の時期に移行する間に “転換期(Turning=T.P.)”があり、それは “危機の時期” です。そのなかでも「成人前期」「中年」の間の転換期は、人生の午前(前半)から午後(後半)への移行期として、人生最大の危機になるだろうとされています。

 

それは午前中は上昇し、拡大し個体として発展して時期であります。

体を完成させ、世の中に自分の場所を確定し、子孫を残し、社会的達成に意義を持ちます。

ところが12時太陽の南中(なんちゅう)をもって、下降し始めます。

 

この事を、ユングは以下のように著しています。

【太陽は予測しなかった正午の絶頂に達する。予測しなかったというのは、その一度限りの個人的存在にとってその南中点を、前もって知ることが出来ないからである。しかも、この下降は午前全ての価値と理想の転倒である。太陽は矛盾に陥る。】

 

太陽を背に受け、自分の影を見ながら歩き始めるようになります。この時、人は自分の内面を見つめ午後の人生について考え始めます。

ユングはこれを“個性化”と言いました。今までの生き方や価値観について再考する時を迎えたのです。

 

しかしユングがこの事を著してから、50年以上が過ぎ、社会も、寿命も変わりました。

“危機の時期”が無くならないとは思いますが、時期や程度は、個人差があると思います。

 

『人生の四季(2010-08-22)』