伝えること(記録して残すこと)

自分が感じたり身に付けたことを、誰かに伝えたり、記録して残しておくことは必要です。

 

伝えるために、自分の中で整理され、より深く自分の中に入っていきます。

伝える過程の、やり取りの中で磨きがかっていきます。

 

あるいは、忘れてしまったことも相手が覚えていてくれて、

また自分に帰ってきてくれることもあります。


長年かかって会得したことを、伝承する者がいなくても

記録を残しておけば、いつか継ぐべき者が現れたときに繋がっていきます。

口承のものや、微妙な感覚の体で覚えなければ解らないものもありますけれども・・・。


後漢の時代(946年 - 950年)に華侘(かだ)という、著名な医家がいました。

華侘(かだ)は外科医(全身麻酔手術)の創始者ですが、魏王曹操の逆鱗に触れ死罪になります。


死に臨み、自身の著した医学書を獄吏に手渡しその収蔵・保管を頼みましたが

獄吏は法を畏れて受け取らず焼却されたため、後世残りませんでした。


その中に含まれていた、全身麻酔による外科手術は画期的な成果でもあり、

その時代には世界でも類を見なかったものでした。

 

しかし、その記録が残らなかったため、

全身麻酔手術はその先長い時間を待たねばなりませんでした。


日本で華岡青州(はなおかせいしゅう)が麻酔剤を用いて全身麻酔外科手術に成功したのは、1804年です。


伝えること(記録して残すこと)について

いくつか引き寄せられて集まってきたので書いてみました。

 

(参考:『日中東洋医学略年表』神戸中医美容整体学院)