有機水銀分解菌 ~自然の持つ力・浄化2~

熊本県水俣市水俣湾は、チッソ工場の排水に含まれるメチル水銀により
1956年、水銀公害といわれる水俣病が発生し、悲劇の海となりました。

世代をまたいで周辺地域に住む方々、魚を捕食する動物に被害を与え
海は汚染魚を封じ込める網で仕切られ、地元漁師の方も立ち入れない海になりました。

1997年ようやく水銀値が環境省の基準値を下回り、県の安全宣言がされました。

その海はどうなっていたのか?
魚の住めない海になっていたのか?

そうではありませんでした。

生き延びた生き物たちが、命を繋ぎ、たくさんの生き物たちで溢れていました。

36年間にわたり、150トンとも言われるメチル水銀が流された海は
14年かけて高濃度の水銀ヘドロを取り除き、埋め立てられました。

それでも、残っていた水銀はどうなったのか?

1983年、中村邦彦氏(国立水俣病研究センター・2008年3月退官)は
水銀に耐える細菌があるはずとヘドロを採取し探し続け、
独自に進化した驚異の細菌を発見されました。

それは水銀に耐えるだけでなく、分解・帰化させる能力を持った
水銀耐性菌の一つ、わずか1ミクロンほどのシュードモナス菌でした。

自分たちの生存に不都合な水銀そのものを食べ
そのメチル水銀を、金属水銀とメタンガスに分解、吐き出します。

分解されてできた金属水銀はやがて気化し、
自然の水銀サイクルの中に組み込まれていきます。

そして役割を終えた耐性菌はその能力の元となる遺伝子を捨て去り、
またもとの普通の菌に戻ります。

自然の浄化のメカニズムは神秘そのものなのです。
テレビ朝日系 2008年『素敵な宇宙船地球号・死の海からの復活』より)

この事実を知った、宮崎駿氏は

風の谷のナウシカ』を通じて、【人間は地球の加害者】という
強い想いを反映させました。

有機水銀分解菌 ~自然の持つ力・浄化2~

また、女性水中カメラマン・尾崎たまきさんは
1995年からふるさと熊本の海、水俣湾にもぐり始め、
水中写真に取り組まれています。

「死の海からの復活」~ミクロ生命体が奇跡を起こす~には、
ナビゲーター役として出演されました。


奇しくも今、東北で尾崎たまきさんの写真展や講演会が企画されています。

新潟県立環境と人間のふれあい館 -新潟水俣病資料館-
http://www.fureaikan.net/

フォトグラファー尾崎たまきさんの
新潟水俣病への理解を深め偏見や中傷をなくしていくための取り組み”

水俣水中写真展 (会場:環境と人間のふれあい館 研修室)
  4月24日(日)~5月8日(日)

・尾崎たまきさん講演会「いまも水俣に生きる」
 5月5日(祝・木)午後1時30分~3時(受付午後1時から)

水俣の海が再起していく、自然のたくましい様子の写真がオフィシャルサイトに公開されています。

いま、傷ついた海に心痛めている方々に見ていただけたらと思います。

尾崎たまきさんオフィシャルサイト
http://www.ozakitamaki.com/index.html

自然の一部であるわたしたちも含め

その持つ力で、回復していく明日を信じたいと思います。

 

Michael Jackson「HEAL THE WORLD」和訳付き LIVE with Lyric★
http://www.youtube.com/watch?v=Dxfqi2bPO1o

 

『ひまわり作戦 ~自然の持つ力・浄化1~(2011-04-30)』
http://yu-cocoro.com/index.php?QBlog-20110430-1

自然治癒力(2011-04-11)』 
http://yu-cocoro.com/index.php?QBlog-20110411-1

『整体観〈全体観〉(2011-03-11)』
http://yu-cocoro.com/index.php?QBlog-20110311-1

『レジリアンス(2011-03-15)』
http://yu-cocoro.com/index.php?QBlog-20110315-1

『コウナゴ〈小女子〉(2011-04-08)』
http://yu-cocoro.com/index.php?QBlog-20110408-1